苦しんで強くなる将棋ブログ

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才能皆無だが、試行錯誤して棋力向上を目指す。日常ネタもたまに…

『極限早繰り銀戦法(2017年度将棋世界8月号付録)』レビュー

個人的に最近極限早繰り銀に興味を持ち、現在勉強中です。
今更!?って人もいると思うんですけど、自分ブームに乗るのが下手なんですよ……

本屋で極限早繰り銀の本を見つけ興味を持ったものの、結構変化も膨大で難しそうだな、というのが第一印象。
一応マイナビには難易度表記があって、この本も初級〜中級者向けということらしいですが、この表記は私個人の感想ですが経験的にあてになりません。^^;サーセン

そこで、少し前の将棋世界の付録に同著者の極限早繰り銀をテーマにしているものがあったことを思い出し、とりあえずそっちを読んでみることにしたわけです。

中々読みやすかったので、ウォーズで級位者、24で初級タブぐらいの人にオススメです。



本の概要

佐藤慎一五段が極限早繰り銀戦法について次の一手形式で解説した本です。
全39問で、第29問以降は佐藤五段自身の実戦譜からの出題になっています。

初手からの進行になっているのが、個人的にはありがたかったです。


この本で学べた事

極限早繰り銀の基本の狙いと理想手順を勉強した後、後手側の対応の変化に合わせた手順をそれぞれ学べます。

極限早繰り銀は右銀をうまく五段目に進出させいかに位を取るかが重要なようです。
特に早い段階で銀が五段目に進出した形は、極限早繰り銀の理想図だそうです。


↓極限早繰り銀の理想図の一例
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また極限早繰り銀側の先手は、右銀を進出させていく過程で37の地点が必然的に空くので、各交換した場合55や64の地点からの角の打ち込みによって飛車が狙われることを常に念頭に置かなければならない印象です。

後手側はそのあたりを考慮し、8筋に飛車を展開する等して先手の銀を活用させないよう妨害したり、色々と手を打つんですね。

まあ級位者程度の実力しかない私は、この本を読んで極限早繰り銀という戦法の着眼はそのあたりかな?と勝手に結論付けましたが、私の棋力が足りない点に加え本自体のボリュームも少ないので、たぶん全然理解できてないです。(^_^;)


少し疑問に思った事

極限早繰り銀の初手からの進行は、
▲26歩△34歩▲25歩△33角▲76歩、と進行していきます。
この後定跡手順では△22銀となっているんですが、この手は「角換わり上等じゃい!」という手であって、相手が振り飛車党の場合や居飛車党でも角換わりを好まない人達は△44歩と角道を閉じてくる場合が多いです。

というか勉強し始めてから私自身ネット将棋で50局は指しましたが、△22銀と指す人は1人しかいませんでした。(-_-;)
私が後手だったら、迷わず△22銀なのに……。

角道閉じられると極限早繰り銀は封じられるので、そこから別の将棋を目指していくしかないんですよね。
それに近い変化が載っている本ってどういった定跡本になるんだろう。棒銀とかかな。


終わりに

この本はボリュームが少ないのに加え次の一手形式なので読みやすく、極限早繰り銀の概要を手早く知りたいという人にはピッタリだと思います。

極限早繰り銀という戦法に触れる中で、相掛かりや横歩取りチックな駒の指し回しが若干出てきました。
色んな戦法はあれど、勉強したことはどこかで繋がっていると今回実感しました。

次のステップとして、マイナビの『史上最強の攻撃戦法 極限早繰り銀』を少しずつ読んでいく予定です。