苦しんで強くなる将棋ブログ

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才能皆無だが、試行錯誤して棋力向上を目指す。日常ネタもたまに…

『5手詰将棋』レビュー

この一ヶ月の間ちょくちょく取り組んでいた詰将棋本が解き終わりましたので書評を書いてみたいと思います。

昔少し本書に取り組んだ事がありましたが、全て通した経験がなかったので、今回全問解き直してみました。



5手詰将棋:テーマは「実戦! 」 (将棋パワーアップシリーズ)

5手詰将棋:テーマは「実戦! 」 (将棋パワーアップシリーズ)


本書の構成

2009年に出版された高橋道雄九段の詰将棋集です。
実戦型ばかりの5手詰を202題収録しています。

本書は実戦型ということもありパズル的要素はほとんどないので、5手としては難易度も低く、5手詰入門書として薦める人も多いです。
段位者の方は実戦前のウォーミングアップに活用されるという話も聞きますし、言わずと知れた名著です。



実際解いてみた感想

実戦型が多いので、「読みのトレーニングだけでなく詰み形を学ぶ訓練にもなり、一石二鳥な本」というのが率直な感想です。

囲いを本当に崩した後のような問題図が多く、実戦型を売りにした詰将棋としては完成度がかなり高いと思います。


ただし、パズル的詰将棋によくある、

「いや待てよ……、あ、まさか…………うわあああァァァ詰んだァァァァァ超気持ちいいいいィィィィィィィ───────( ゚д゚)脳汁ドパドパ」

みたいな効果はあまり望めません。


実戦型なので、見るからに難しそうで解く気が失せるような問題はなく、実際に私はそこまでストレスを感じることなく読み進めることができました。

ただ、私レベルの棋力では簡単すぎるということはなく、全体的には結構な手応えを感じました。



今回解いた結果

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以前レビューした『爽快!3手詰トレーニング200 (マイナビ将棋文庫)』が解答時間が平均2分13秒でほぼ同タイムだったのですが、正解率が圧倒的に『5手詰将棋』の方が高いです。
ギブアップした問題も本書は第76問と第163問の2問だけでした。

また、タイム計測はしていませんが、半年ほど前に解いた『5手詰ハンドブック〈2〉』よりも明らかに簡単でした。
爽快!3手詰トレーニング200 (マイナビ将棋文庫)』が比較的難しい3手詰本というのを抜きにしても、本書はかなり簡単な5手詰本だと言えそうです。


少なくとも本書をサラサラ解けるようにならなければ、5手詰卒業は語れないでしょう。


※2018/5/22追記
本書はかなり簡単な5手詰本と書きましたが、より楽に解ける本を見つけました。
本書が難しくて嫌になってしまう人はコチラを。

gerren.hatenablog.com



余詰めの存在

解いていく中で、1問余詰め(出題ミス)を発見しました。

第165問です。

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解答は
「▲3ニ銀△同金▲4三龍△同金▲3ニ金まで」
となっていますが、

「▲5ニ銀△同歩▲3ニ金△5一玉▲4ニ金△6一玉▲6ニ金まで」
でも詰みます。駒もピッタリです。

因みに、変化として
6手目「△同角ならば以下▲5ニ桂成まで(駒余り)」
4手目「△同金ならば以下▲5ニ龍△3一玉▲3ニ龍まで(駒余り)」
2手目「△3一玉ならば以下▲4ニ龍△同玉(△同角は▲3ニ金まで)▲4三金△3一玉▲3ニ金まで(駒余り)」
2手目「△同金ならば以下▲3ニ金まで」


いずれにしても詰みます。
何度も検討したのでおそらく間違っていないかと。




因みに他にも余詰めがある問題があるのかなと少し調べたら、以下のブログ様でも一問余詰めのある問題を発見されていました。

http://rikeda.hatenablog.com/entry/2014/09/03/122330

第171問です。

f:id:gerren:20180516003601p:plain

解答は
「▲31角打△3三玉▲3ニ飛△同玉▲4ニ角上成まで」
となっていますが、

「▲31角打△3三玉▲4ニ角引成△2ニ玉▲3ニ飛△1三玉▲3五角成△2四香▲3一馬まで」
でも詰むそうです。
解いてる最中は気づきませんでしたが、確かに詰みますね。



他にもあるかもしれません。
探してみるのも楽しそうです。

本来は余詰めは、現代の詰将棋のルールでは出題ミスなので詰将棋の作品としては認められません。
ただ、本書に限っては「実際に遭遇しうる囲いを崩したような形」に近づけるためにあえて高橋先生がそのまま載せた可能性が高いように思えます。

手数が明示されていれば、解く分には問題ないので。



最後に。5手詰本初挑戦に本書を検討している方へ。

3手詰からステップアップする際に選択する本として、確かに候補に上がるくらい素晴らしい本だと思います。
難易度もマイルドです。

ただ、始めて5手詰本に取り組むのは時間もエネルギーもかなり必要だということを念頭に置いて挑戦してください。
本書も同様です。

5手詰としては簡単とはいえ、3手詰と5手詰は一般的に難易度にかなり開きがあるように思います。
最初はみんな苦しいですし、最初の数問で何度も考え込んでしまうと嫌になってくるかもしれません。

でもはじめは解けなくて普通ですから大丈夫。
気にせず、答えを見て進めていきましょう。

とりあえず耐えて一冊仕上げてください。
始める前よりかなり見えるようになってるハズですから。

『史上初の詰飛車問題集』レビュー

本書を本屋で見かけ、飛車詰め問題集ってのは新しいなーと少し感心しました。

買って読んでみたのでレビューしてみたいと思います。


史上初の詰飛車問題集

史上初の詰飛車問題集

【対象棋力:初心者〜ウォーズ5級】


キャッチコピーなど

以下Amazonの内容紹介からの引用です。

内容紹介

史上初の詰飛車問題集。 
今まであるようでなかったテーマの将棋本です。
つるの剛士さん推薦、森下卓九段の解説文つき。

素人が簡単に勝てるための必携書です。 

藤井聡太六段からの将棋ブームで将棋に興味を持った人や、 
何年・何十年ぶりに将棋を指そうと思った人、 
「将棋ウォーズ」などのアプリで将棋にハマってしまった人などにうってつけ。 

素人が簡単に勝つためのキーワードはもちろん飛車です。 
詰飛車に特化した全80問を収録しています。 

(はじめにより) 
「ひょっとして、素人の将棋なんて飛車をとってしまえば勝ちじゃねぇの?」 
私の心にわき上がってきたそんな素朴な疑問を、
長年の友人でありまぎれもないプロ棋士である日本将棋連盟の石田直裕五段にぶつけてみた。 
「そうですよ。というより、プロ同士の対局でも飛車をとられたらだいたい終わりですよ」 
石田五段は、そう断言した。 



この本のキャッチコピーは、下記です。

ヘボ将棋は飛車を取るだけで勝てる。“最強の素人”を約束する一冊。



2018年3月に発売された本で、石田直裕五段が問題製作に携わっているそうです。
素人(初心者)をターゲットとした本のようですね。



この本の有用性を図る上でのポイントは、

①一般的な王を詰ます詰将棋よりも、初心者にとって有用か
②この本を読むことで到達できる“最強の素人”はどの程度か
(同じ初心者相手に勝ちやすくなるか)

という点でしょう。



本書の構成

問題は全80問で、コラムを挟んで前半30問が1手詰、後半50問が1手〜3手詰です。

詰飛車問題集なので、最低でも捨て駒は銀一枚程度に抑えつつ、相手の飛車を詰まして駒得を狙う問題がズラリ。

また、基本的に部分図の問題ですが、最後の5問だけは全ての駒を動員した局面図での問題になっています。

悪い点を挙げるなら、ヒントが各問題にデカデカと書いている点です。
それ答えだろってヒントが多いですが、初心者向けの本だから助かる人も多いのかな?



実際に解いてみた感想

難易度は一般的な入門用の一手詰問題集とほぼ同じかやや低いくらいです。

3手詰も難易度はほとんど変わりません。
手応えのある問題を期待してた人は、買うと拍子抜けしますので注意。

王を詰ますのと比較して感覚が違うのかな?とそこに興味がありましたが、あまり変わらず一般的な詰将棋を解いている感覚。
唯一明確に違うのは、王手を利用して飛車を素抜く手筋が出てくるところかな…



それで、初心者にとって、詰飛車問題が有用かどうかなんですけど…

結論は微妙かな、と思います。
(あくまで個人の意見です。)


正直なところ、これだったら普通の一手詰問題集でいいかなーという感じ。

普通に一般的な一手詰を解いていれば、この程度なら同じ感覚で気付けるようになる気がします。

1手詰将棋と同じく駒の利きを理解する訓練にはなると思いますが、わざわざ飛車でやるメリットがないっていうか…


“飛車を取れれば、素人将棋は勝ち!”ってのが概ね正しいのは賛成ですが、決まるのは大概「相手がウッカリしていた」場合に限るんですよね。
王手飛車とかまさにそう。

要するに、「素人はミスをするから、相手のミスを咎めて勝とう」ってのが出発点の本だと思うのですが、飛車を狙うだけだと相手のウッカリに期待するしかないので安定して勝てません。

また、初心者がこの本を読むと、相手が王手飛車を見逃すことを期待するような指し方をするようになりそうで、少し心配です。
子どもなら尚更ですね。



とは言え…

現実問題として初心者〜低級の将棋で、例えば王手飛車を「かける側もかけられる側も」ウッカリ見逃したってのは実際結構見かけるので、(特に角を使った王手飛車)この本だけではまず勝てないと決めつけるのも早計かもしれません。

ただ、それも対局で食らったりしていくうちに、自然と学習しますので…(^_^;)
少なくとも気持ちの上では、ね。

この本をわざわざ使う必要はないと思います。


本書のみで勝つとするならば、前提として
「相手が駒の動きしか分からない完全な初心者」
ってのが最低条件な気がします。



因みに、私は前書きやコラムもジックリ読んで30分くらいで読了しました。
1手詰が楽に解ければ、この本は物足りないと感じると思います。

象棋力はあくまでも初心者です。



本書が有用な人

本書をお薦めする人がいるならば、楽に勝ちたいって人よりも、
「いつも王手飛車を決められて負けてしまう」
って人かな。
詰飛車問題を解くことにより、結果的に王手飛車のラインに目がいくようになって、ミスが減る効果はあるかもしれない。


逆に、職場のアイツに手っ取り早く勝ちたい!!って理由でこの本を手に取るのは、間違いです。

正直“素人”相手に馬鹿勝ちしたいなら、「原始棒銀」を覚えた方が早いですし確実です(^_^;)
受け方を知ってるなら、相手はもはや素人ではないしね。



個人的に勉強になった問題

全体的に批判っぽくなりましたが、実はなるほどと思った手筋もありました。
本書の第75問、3手一組の問題です。

詰飛車問題という点がヒントになっているため少し考えれば分かるのですが、他にも有用そうな手は多く見える局面なので、実際の対局ではつい他の手を指してしまうような気がします。

著作権的に問題図だけなら掲載してもOKなのか、それでも駄目なのかよく分からなかったので、今回は載せることはできませんが…

興味ある人は覗いてみてください。



終わりに

今まで誰も手をつけなかった分野に目をつけて出版まで漕ぎ着けたのは評価できますし、面白い試みだと思います。

ただ、残念な点は、一般的な一手詰集との明確な違いをダイレクトに感じることができなかった点です。

加えて、“素人が簡単に勝てる”っていうキャッチコピー通りの本になっていない点ですね。

もう少し手数を増やしたり工夫をすれば、需要が増えるかもしれません。
まあ、普通の詰将棋に飽きたって言う人は覗いてみても良いかもね。



因みに、コラムとして石田五段が奨励会時代成績がふるわず苦労した話なんかも載っているので、プロになるのがどれだけ大変か知らない人は読んでみてもいいかもしれません。

最近は雑誌に将棋の盤駒が付録でつくんですねぇ

サライ 2018年 05 月号 [雑誌]

サライ 2018年 05 月号 [雑誌]

家庭画報 2018年 1月号

家庭画報 2018年 1月号


こんにちは!
少し情報が遅い感はありますが、近年の将棋ブームにのってか、将棋雑誌でも何でもない一般向けの雑誌の付録に将棋の盤駒をつけるってのが流行っているようです。

実際かなり売れているらしく、将棋好きでも何でもない人が結構買っているみたいですね。

碁盤店でも、今までは男性客がほとんどでしたが、最近は女性から盤駒の注文が増えているらしいですよ…
何にせよ、将棋が普及するのは嬉しいことですね。


今回、サライの5月号の詰将棋付録が欲しくて(少数派?)サライを購入したんですが、厚紙製の盤駒もついてきたので、折角だから紹介しようかなと。
ついでに家庭画報の盤駒も手に入れたので、比較したいと思います。


【左:サライ、右:家庭画報

◎外観
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◎拡大図
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盤の厚みは目測ですが、どちらも約0.6〜0.7ミリ程度。
薄いですが、扇げばウチワになるくらいの強度はあります。

駒の厚みは、
サライ:約1.5ミリ
家庭画報:約2ミリ
若干家庭画報の方が厚いです。



サライの駒の表裏
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名人駒の書体を模したものらしく、書体は宗歩好です。
実物は赤柾木地なので、それっぽく縦のストライプが入っています。
オシャレだなぁ笑



家庭画報の駒の表裏
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同じく名人駒の書体を模したものだそうです。
こちらは、無地ですが、初心者を意識して駒の動きの補助(矢印)が入っています。



◎盤の大きさ比較
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所有率が比較的高いと思われる、日本将棋連盟のソフト板と大きさを比較してみました。
小さいものから、サライ家庭画報、連盟ソフト盤です。



◎実際の使用感など
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折角なので試しに家庭画報の駒をくり抜いて実際に並べてみました。
こんな感じです。



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ついでに、実際に棋譜を並べてみました笑
図は終局図。

紙なのでスルスルと滑りやすく、やはり通常の駒よりは使い勝手は悪いですが、外出先で使う程度なら全然問題なさそう。
並べてる途中、ハチワンダイバーの百均のマグネット盤を使って一千万賭けて指すシーンを思い出しました笑
ペタペタッて感じが…ね。


コンパクトだし、携帯性は素晴らしいです。
ただ、マグネット盤を持っている人には無用の長物かもしれませんね。
見た目は多分こっちのが格好いいんですけど。

使い終わったら、元の枠にパズルみたいにハメ直しとけば、失くすこともないし、良いんじゃないでしょうか。


終わりに

当初はもっと安っぽい感じのオマケをイメージしてたんで、思ったよりしっかりしてて意外でした。
これで新たな将棋ファンが増えればいいなぁ…


因みに本命のサライ詰将棋ですが、現在解いてますが、一問目で解けなくて泣きそうです(´Д⊂ヽ
将棋図巧の第五十番らしいんですが、答えに確信はほぼあるものの、最後の一つの変化がどうしても詰まないんですよ。

解けた暁には、別にレビューしたいと思います。
まだ、後ろにヤバそうな問題がたくさんあるのに…

『完全木製版 デラックス将棋』レビュー

先月の26日に発売した、『完全木製版 デラックス将棋』を手に入れました。

これから将棋を始める初心者や、初めて盤駒を買う人が基本ターゲットの商品だと思いますが、私も自分が使ってみないと人に勧められないので、今回購入してみた次第です。


完全木製版 デラックス将棋

完全木製版 デラックス将棋


現在5000円以内で比較的安く手に入る駒には、

・プラスチック駒(数百円〜4000円強)
・スタンプ駒(数百円〜2000円程度)

があります。
個人的にはこの価格帯ではプラスチック駒をオススメしたいですが、どうしても木製の駒に執着される方もいます。

確かに、木製駒独特の温かさに惹かれる気持ちも分かります。

今まではそういう人は、安価なスタンプ駒を選ぶか、少し頑張って白椿の彫駒や書き駒(5000円強程度)を選ぶのが常だったのですが、今回『完全木製盤 デラックス将棋』の発売で選択肢が広がりました。

特に巻菱湖や錦旗のように略されていない書体(いわゆる彫駒でいう極上彫と同じ書体)が欲しい場合には、今までは一万円程度は必要でしたが、今回の商品の販売により、駒だけなら3000円程度で入手可能となりました。
これは結構嬉しい人もいるんじゃないかなー。

では、早速紹介していきたいと思います。


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外装はこんな感じです。
中身は、盤、駒、入門ガイドの3つです。


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盤の表面は、色のムラが酷く、そこが少し残念。線は見た感じ印刷です。

裏面には、シートが貼ってあり、蝶番がないので机に置いたとき机に傷がついたり、盤がピッタリ合わない心配がない点は良いです。
将棋盤 棋になる折れ将棋盤【蝶番がない】』と同じ構造ですね。


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次に駒の購入時の写真と駒箱を。

駒箱については、「駒台になる」ように平べったい駒箱になっています。
このアイデアは、『新宿将棋センターのプラ駒』を真似たんでしょうか。
いずれにせよ便利で良いです。

ただし、駒箱は正方形ではなく僅かに長方形になっているため、箱を閉じるとき合う面と合わない面があり少しストレスを感じます。

あと書体の説明書が駒箱内に付属していました。


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駒はスタンプ駒です。

幻冬舎の『本格ステップ将棋』や『9マス将棋』の駒と同じタイプで、塗料によるコーティングがしてありツルツルスベスベしています。
使っていくうちに味が出てくる、というようなものではないのでそこは注意が必要です。

インクにはやや滲みが見られますが、気にならない程度です。
王将の駒尻には巻菱湖書とあります。
玉将には特に何もありません。


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飛車と角行を比較してもらえれば分かりますが、駒によって個体差が大きく、整形はあまり良くできているとは、いえないですね。
駒の先端がガクッとえぐれている駒もありました。
使用には問題ないレベルですけどね。


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他の駒と大きさを比較してみました。

右が普段使いのツゲ駒(青山碁盤店で購入)、左が新宿将棋センターのプラ駒(新宿将棋センターで購入)です。

デラックス将棋の駒(以下、デラ駒)は、私所有のツゲ駒と比較すると駒尻が厚く、また駒尻から駒の頭にかけての傾斜が緩く、駒の頭も厚くなっているものが多いです。
また、歩が一回り小さいです。

新宿将棋センターの駒がかなり近いかな、と思いました。
普段使っている駒によっては、違和感を感じる人もいるかもしれません。

初めて触るのが、この駒なら問題ないでしょう。

因みに、「重さ」に関してはデラ駒は明らかに軽いです。
明らかにツゲ駒の方が薄いんですが、王将同士で重さを測ったところ、

・ツゲ駒(4グラム)
・新宿将棋センタープラ駒(5グラム)
・デラ駒(2グラム〜3グラム)

という結果でした。
(小数点以下まで測れる測りはないので、大体ですが…)

比重が軽い材を用いている分、駒の厚さで少しでも重くしようとしている所もあるのかもしれません。
白椿の駒を使った事がある人は、大体そのイメージです。


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全体の写真も撮ってみました。
指し味はシャムツゲやツゲ駒、斧折(オノオレ)には劣りますが、木製駒独特のパシッとした音はしっかり出ます。

実際、悪くないです。
勉強目的としては、十分すぎるほど活用できるでしょう。

私は将棋始めた頃、百均の駒を卒業して白椿の彫駒を買いましたが、その頃こんなのがあったらなぁ…。




最後に


今回の商品は、

・プラ駒は味気なくて嫌だ
・木製駒で安い商品を探している
巻菱湖や錦旗などカッコイイ書体の駒が欲しい
・上達して良い駒を買うまでのつなぎの駒が欲しい
・晩酌しながら指せるような、汚れても問題ないある程度見た目の良い駒が欲しい

って人に最適なんじゃないでしょうか。
個人的には、プラ駒大好きなんだけどね(^_^;)
やっぱり予算や満足する駒って人によって違うから…

今回のデラ駒によって幸せになれる人も、きっといるでしょう。



因みに今回は巻菱湖の駒と盤のセットを紹介しましたが、6月には錦旗、水無瀬、源兵衛清安も駒だけの価格で別に販売開始されるようです。

完全木製版 デラックス将棋シリーズ 将棋駒 巻菱湖

完全木製版 デラックス将棋シリーズ 将棋駒 巻菱湖

完全木製版 デラックス将棋シリーズ 将棋駒 錦旗

完全木製版 デラックス将棋シリーズ 将棋駒 錦旗

完全木製版 デラックス将棋シリーズ 将棋駒 水無瀬

完全木製版 デラックス将棋シリーズ 将棋駒 水無瀬

藤井聡太全局集が発売決定【棋譜集を形式別で整理してみた】

先日、個人的にかなり衝撃的なニュースがあったので紹介します。

藤井聡太六段の全局集が発売決定し、現在予約受付中の状態です。



藤井聡太全局集 平成28・29年度版

藤井聡太全局集 平成28・29年度版



正直、驚きました。

過去の偉人と言われる伝説級の棋士や今現在A級でバリバリ活躍している棋士でも個人の全局集を出している棋士はほとんどいません。

全局集とは、要するに対象のプロ棋士の、デビューした後の公式戦の全ての棋譜を掲載し解説したものですが…、これがなかなか出版までの条件が厳しいらしく、ほぼ存在しないのです。

少し、順を追って説明したいと思います。



まず、そもそも棋譜集を買う価値についてなんですが…
棋譜は今の時代ネットでも見れますから、棋譜が載っているだけでは正直あまり価値がありません。
むしろデータベース化しているので、そちらの方が圧倒的に便利だったりします。

よって、個人的には「解説がどれだけ詳しいか、誰が解説しているか」が棋譜集の需要と価値を決定するような気がします。

例えば対局者本人の解説であれば、何を思って指していたのか、など実際の心理的掛け引きを知ることができ、勉強だけじゃなく鑑賞的な面白さも増したりするわけですね。

まあ、そういった理由で棋譜集を買い求めるわけです。


で、次に当たり前なんですが、全局集は棋譜集の形式の一種であり、実際には他にも色々な形をとり出版されています。
最近だと、戦法別にまとめたものもあります。

ただ、個人の名前を全面に押しだしている棋譜集に絞ってみると、その中での出版までのハードルは異様に高いです。

少し、ハードルの低いものから順に並べてみたいと思います。


(※以下、全て私個人の見解です。
失礼な書きっぷりもあるかもしれませんが、尊敬語や敬称を多用すると読みにくいと思いますので、その点ご了承ください。)



実践集、名局集など

【ハードル:低】

【Amazon.co.jp限定】加藤一二三名局集

【Amazon.co.jp限定】加藤一二三名局集

まず、個人名を全面に出している棋譜集で一番ハードルが低いと思われるのが、実践集や名局集です。
過去タイトルをとったり、棋風から異名を付けられるような名棋士から出ている印象です。
泥沼流、カミソリ流、火の玉流とかがそうですね。

実践集は現役のトップ棋士、名局集は引退した先生方から基本出ているようです。
数ある対局の中から、好局や思い出深い対局の棋譜を「厳選したもの」になります。


出版の条件としては、


①A級在籍経験がある
②基本タイトル戦に絡んでいる
③将棋界で何かしら功績を残した
④それ以外でも人気の高い棋士


って感じでしょうか…
何にせよ、これは並べる価値がある!と思わせるような好局が多く存在することが必須です。

「一番低いハードルでこれかよっ!?」

って感じですが、同じ時間で棋譜を並べるなら強い棋士棋譜を並べたいと思うのは当然なので、トップレベル以外の棋士棋譜集をお金を払ってわざわざ買いたい人は少ないのが、悲しいですが実情でしょうね…



タイトル戦などに焦点を絞ったもの

(現状名人戦竜王戦のみ)
【ハードル:低〜中】

次に、タイトル戦に焦点を絞った形式のものが挙げられます。

こういった形式の本の特徴としては、例えば名人戦であれば7局しかないわけですから、棋譜や解説が詳しいのは当たり前、当時の棋士本人の心情や何を夕食に食べたか等細かい所まで載っているものが多い印象です。

どちらかというと勉強目的というより、ファンブック的な側面が強いのかな…


出版の条件としては、
名人戦竜王戦の七番勝負に出ることですが、より需要を求めるならば、


①タイトル保持者や挑戦者が人気の高い棋士
②最終局までもつれ込んだりと、熱戦が多い
③記録的なものが絡んでいたり、何かしら注目される理由がある


って感じですかね?
実情としては、名人戦は条件なしで毎年出版されているようです。



竜王戦は少し前までは、毎年?出ていたようですが、今は出ていないんですかね、見当たらないです。

あと、かつて『将棋名人戦全集 全12巻 第1期から第35着まで 編者: 大山康晴 (将棋名人戦全集) (将棋名人戦全集)』なんてものもあったみたいですね。


ただ、考えると分かりますが、名人戦竜王戦の決勝まで漕ぎ着けなければいけないわけですから、ターゲットとなる棋士にはその時点での世界最強レベルの棋力が必要です。



VS(ブイエス)形式の全集

【ハードル:中〜高】

大山VS中原全局集

大山VS中原全局集

この辺からハードルがぐっと高くなります。

VS形式の特徴としては、二人の棋士に焦点をあて、その対局を全て載せている構成となっている点です。

要するに上手く指せた対局も、ポカして頓死して負けたような対局も全部載るわけです。
そこが名局集等との明確な違いになります。

ただそれを含めてもこの二人の対局は名局ばかり!非常に勉強になる!という場合のみこういった形式の本になる印象です。

近年の本で手に入る可能性があるのは、以下の7冊です。(他にあったら気づいた時点で随時追加します。)


・『谷川vs羽生100番勝負―最高峰の激闘譜!』(2000/日本将棋連盟
・『永久保存版 羽生vs佐藤全局集 (プレミアムブックス版)』(2006/日本将棋連盟
・『羽生VS森内百番指し』(2011/毎日コミュニケーションズ
・『大山VS升田全局集』(2016/マイナビ出版
・『大山VS米長全局集』(2017/マイナビ出版
・『中原VS米長全局集』(2017/マイナビ出版
・『大山VS中原全局集』(2018/マイナビ出版


出版される条件としては、


①両名が時代を築いた最強クラスの棋士
②最低でもどちらか一名はその中でも群を抜いての超人気棋士


って感じでしょうね。
このレベルになると全員名人獲得経験はあり、永世名人竜王(十段)取得などタイトルの獲得回数が多い、その時代の最強に名前が上がる棋士ばかりです。

特に羽生、大山の名前が目立ちますね。

VS形式の旨味としては、対局者同士の勝負の歴史を時系列に沿って鑑賞できる点でしょうか。

もちろん、最強クラスの棋士同士の棋譜ですので死ぬほど勉強になります。



個人の全局集

【ハードル:高】

羽生善治全局集 ~七冠達成まで~

羽生善治全局集 ~七冠達成まで~

最後に、最もハードルが高いのが個人の全局集になります。
(今回、藤井六段が出すのも、このタイプ)

棋士個人にターゲットを絞って、デビュー戦からある時点に至るまでの全公式戦の対局の棋譜とその解説を収録したものです。

VS形式との違いについては、相手が誰であれ全部載る点にあります。

失礼な言い方ですが悪く言えば、
「その人が指しているのなら、相手が強かろうが弱かろうが勉強になる」
って事でしょうね。
(もちろん、勝ち続ければいずれ強い相手としか当たらなくなるわけですが)

他にも購買層には、最強の棋士が指している将棋だからこそ、安心して参考にできるみたいな心理もあると思います。


出版される条件としては、


①時代を築いた棋士の中でも、抜きん出て結果を出している超人気棋士


という一点だけでしょう。
棋士本人に超絶的な強さと人気がなければ誰も全ての棋譜をチェックしようなんて思わないので売れない、よって出版されないと思います。

実際に、私が知る限り個人の全局集を出しているのは木村、大山、升田、谷川、羽生の5名だけです。(既に絶版のものもありますが、再販されているものも多く、また羽生、谷川両名につきましては他に続編の書籍があります。)


・『木村義雄全集』(1944/博文館)
・『大山康晴全集』(1977/大修館書店,1991/マイナビ出版
・『谷川浩司全集I 名人就位まで (プレミアムブックス版)』(1989〜/毎日コミュニケーションズ,2018/マイナビ出版
・『CD-ROM版 升田幸三全局集』(2005/講談社
・『羽生善治全局集 ~デビューから竜王獲得まで~』(2014〜/マイナビ




終わりに

長くなりましたが…

藤井六段が全局集を出すと聞いて驚いたのは、これらの棋士と比較して才能は負けじ劣らじと言えど、未だ大きな実績を残していないと言えるからです。

確かに、史上最年少プロデビュー後の29連勝や全棋士参加棋戦である朝日杯将棋オープン戦優勝による史上最年少六段昇段、順位戦全勝での昇級…

いずれ史上最強と呼ばれる可能性は十分に垣間見えますが、未だタイトルをとっているわけでもありませんし、史上初七冠を達成した羽生先生でさえ全局集が世に出たのは比較的最近であることを考えると、早すぎるような気もします。

ただ、近頃の将棋ブームを巻き起こした張本人であり、今がノリにのっている時期だからこそ、新たな将棋ファンを取りいれるためにも「今」がタイミングなのかもしれません。


というか正直、単純に藤井聡太全局集欲しいしね(^_^;)
古い棋士棋譜も勉強にもなりますが、やはりリアルタイムで活躍している棋士棋譜ってのは新鮮味がありますよね。
軽い気持ちで覗いてみたくなるというか。

藤井六段が他の棋士と違う点は、まだ結果は出していないけども、将来的にトップ棋士としての活躍を確信させる、またされている、という点でしょうね。


要するに、

「超ビックリしたわ!」
ってのを書きたかっただけなんだけどね…
メチャクチャ長くなってしまった。
スイマセン(´-﹏-`;)


おそらく今回売れれば、来年以降も年度ごと続きが出版されるのでしょうが、気負わずノビノビ指していただきたいです。


因みに、現在予約受付中の藤井六段の全局集ですが、以下のサイトで通常版とは異なる愛蔵版の予約も受け付けてるようなので興味ある方は是非。
特典もあるようです。
(値段倍くらいしますが笑)

将棋情報局
https://book.mynavi.jp/shogi/products/detail/id=90486



因みに棋譜集についてずっと語ってきてあれですが…
棋力向上という観点で棋譜並べは勉強に必須かというと、私自身もまだ必要と思える棋力ではないので確信はないのですが、少なくとも級位者のうちは無理に取り入れる必要はなさそうです。
(プロの先生方の手の意味を理解できるレベルにないため)

ただ、棋譜を並べていると、あっそういう攻め方があるんだっ!?とか級位者には級位者なりに色々発見があるので、気分転換にでも並べてみるのはオススメです。
いつも同じ展開になって自分の将棋がマンネリ化してる人は、そこから抜け出すヒントをもらえるかもしれません。

他にも早く並べるべきかジックリ並べるべきかとか、実物の盤駒か電子か、とか色々試行錯誤するポイントはあるんですが、それはまた今度。



因みに蛇足かもしれませんが…

全集について一つ気になる点があるとすれば、大東亜戦争前にシリーズもので『名人八段指将棋全集』(1928/大森書房)という棋譜集が存在しており、巻ごとにターゲットの棋士が入れ替わる構成だったみたいなんですが、(例:一巻は関根金次郎十三世名人)実際に今まで説明してきた意味での全局集であるかは古すぎて不明です。

まあ、他にも知らない棋譜集が実はあるかもしれないですが、あくまでも近年で手に入る棋譜集としては、述べてきた事に大きな間違いはないと思いますのであしからず。



※2018/5/30追記
記事タイトルを変更しました。

藤井聡太全局集 平成28・29年度版

藤井聡太全局集 平成28・29年度版

このブログの目的について今更ながら少し書いてみる

こんにちは。
突然ですが、このブログの当面の目的についてサラサラッと文字にしておこうと思います。

いや〜そういえば、一番初めの記事で、初段目指します的なことを書いたけど、何の目的でどういった記事を書いていくのか殆ど触れてなかったなって。

記事を読んでくれている人の中にも、「結局何のブログなんだよっ!」と心の中でツッコんでいた方もいるかもしれないし…(-_-;)

以下、目的を列挙していきます!

f:id:gerren:20180426014811j:plain

「私自身の棋力向上」

まあ、ぶっちゃけるとコレが本音です。
私も強くなりたいんです。

買ったが読んでいなかった本や、難しくて読む気がしなかった本…。ブログで紹介する!というモチベーションのために消化して私自身の棋力向上を狙います。

また紹介するためには、どういった人にオススメの本なのか、本のキモを捉える必要があるため、自分自身でも「良い意味で」考えて読むクセがつくかなと。

他にも、例えば勉強のやり方を改善したりするきっかけになる、など良い効果を期待しています。


 

棋力が伸び悩んでいる級位者救済

まあ、私も級位者ですがそこは置いといて。

自分が伸び悩んでいた時期に読んで役にたった本などを紹介。
また、私の良かった勉強法と駄目だった勉強法をそれぞれ知ってもらい、参考にしたり、反面教師にしてもらうことが目的です。

高段者は自分が初心者だった頃の感覚を忘れてしまっている人が結構います。
特に子どもの頃に将棋に出会って、子ども時代に有段者になった人については、そもそも分からない感覚が分からないって感じでしょうね。

私も昔友達と将棋を指していた際、端歩を突かれたので、他に手も見えないし端歩を突き返したら、
「端歩突かれたら、反射的にいつも突き返してるだろ!何も考えてないよね。考えないと強くならないよ?」
と説教されたのを思い出します。
でも、考えるも何も初心者って考える土台がそもそもないんですよね。
自分が先手なら、銀一つ上げるのでも▲38銀と原始棒銀以外の攻め筋は知らないわけです。
まかり間違って▲48銀とした場合どう次に銀を使っていいのか分からないんですよ。
また盤面を読む能力も皆無ですから、避けられる駒をわざわざ相手にプレゼントしたりもするわけで、形にもなにもならないんですね。

全員が全員ではないですが、そういう状況でヤル気がないと勘違いするのか、イライラしてしまう有段者の方が結構いるのは事実です。

他にも、全国レベルの強い知り合いに、「ウォーズ5級なんだけど、オススメの詰将棋本ない?」って相談したら、『いちばんやさしい7手からの詰将棋―長手詰めでもラクラク解いて棋力をUP!』を紹介されたって話もあります。
この本は初めて7手以上の詰将棋に挑戦するにはものすごく良い本なんですが、流石に3手詰も当時満足に解けなかった私では歯が立ちませんでした。
今でも最初の問題が金をひたすら打って頭金まで、みたいな問題だったのを覚えていますが、それですらかなり苦労しました。
要するに、簡単な詰将棋本を貸したつもりだったんでしょうけど、私のレベルの低さを甘く見てたというか…笑

その点、私はつい最近まで初心者だったようなものなので(今もか?)、初心者の頃の感覚はよーく分かります。
強くなりたいのに強くなれない、追いつきたいのに追いつけない、その悔しい気持ちも理解できます。

そういった人に少しでもヒントが与えられたらなぁという気持ちで、このブログを書いています。


将棋の勉強に有用なアイテムの紹介など(機会あれば)

今の時代、将棋は最低スマホ一つあればそれだけで勉強には困らないくらいのレベルまで来てますが、やはりあると学習が捗るものってのはたくさんあると思います。

盤や駒、将棋ソフトなどがそれですね。

今私自身が、使って試しているものもありますが、これは良いな!と感じられたら、少しずつ紹介していこうと思います。

駒や盤は、安いものから高いものまであり、安くても使いやすければいい人もいれば、少し高価な木の駒を使ってみたいという人もいるでしょう。
この辺は、私も結構試行錯誤したので、かなり有用な情報を提供できるのではないかと思っています。
まぁ、自分で駒を自作する程度にはハマっていました。
ただ、ブログの目的としては駒や盤の紹介は優先度が低いので…要望があれば書こうかな、程度です。
(といっても読んでくれる方の棋力によっては、自分が提供できる有用な情報はこの辺しかないので、いずれまとめるつもりです)


自分が勉強する過程で、皆さんに何かしらフィードバックできたらいいなと思って書いています。
そのため、一つ一つ意味のある記事を書きたいので、更新の頻度は低くなりますがご承知ください。
例えば棋書のレビューであれば、記事を分けるのではなく、一つの記事でできるだけ紹介したいので…。


因みに、このブログは現在スマホで書いてるんですよね。パソコンで書ける環境にしたいのですが…
(´Д`)

『ねこ将棋〜キャッと言う間の1手3手詰〜』レビュー

こんにちは。
最近スマホアプリでも、なかなか有用な将棋アプリが増えてきました。

特に、f21emon(KukiLabo)様が開発、提供されている詰将棋アプリ(スマホ詰将棋パラダイスなど)は有名ですが、今回はその中の一つ、『ねこ将棋〜キャッと言う間の1手3手詰〜』を紹介したいと思います。


ねこ将棋〜キャっと言う間の1手3手詰〜

ねこ将棋〜キャっと言う間の1手3手詰〜

KukiLabo無料posted withアプリーチ


以下Google Playのアプリページのアプリ詳細の引用です。

スマホ詰将棋パラダイスで活躍中のパステルマヨさんによる1手3手詰集です。
パステルマヨさん狙いの1手3手を混合させた詰将棋集で、「3手詰もある」という緊張感を持ちながら1手詰を解答する面白さに触れてください。

1手詰と3手詰がランダムに出題されるのは、
詰将棋は手数がわかってしまうとそれが最大のヒントとなってしまう」
ためです。

お手つきが一回もなくクリアした場合は初段です。

また、デフォルメイラストを小咲さとさん、インセンティブイラストを鉄人桃子さんに描いて頂きました。



最近短手数とは言え、ややひねくれた詰将棋ばかり解いていたので、簡単な詰将棋でリフレッシュしたいな〜と思っていたところ見つけたのがコレ!

1手〜3手での構成ということなので、これなら朝飯前って感じで気持ちよくサラッと解けるだろう、ということで挑戦してみました。
因みに、私がプレイしたのは、Google Play版のversion1.0です。


問題数は、全部で50問。
◎No.1〜No.5:1手詰(明示)
◎No.6〜No.10:3手詰(明示)
◎No.11〜No.50:1手又は3手詰(手数不明)


問題のタイトルがスマホ版の詰将棋パラダイスと同じく、その問題の特徴やヒントを表す形式でした。
個人的には、ほとんどの問題が手数不明ってのが中々解きごたえがあって良かったです。


また、1〜3手詰めとはいえ、本アプリの作品は実戦型と言える問題はほとんど無いです。
詰将棋パラダイスの初級レベルの問題を解き漁っていた時期に、似たような問題をよく見た。)

その上、単打や両王手、開き王手など詰将棋を解く上で欠かせないテクニックはバンバン使ってきます。
故に、全くの初心者にはやや難しいアプリかもしれません。
少なくとも詰将棋のルールと、このあたりのテクニックを知った上で挑戦する方が良いような気がします。


とはいえ
解説がメッチャクチャ丁寧
なので、意欲がある人はドンドン解いて分からなければ解説を読むのも良いかと思います。
ゲーム内の女の子が若干砕けた文調でツボを押さえて解説してくれるので、読みやすいし頭にスッと入ってきます。


いや〜、これはいいですよ。
普通の詰将棋本でもこれくらい丁寧に解説してくれたら嬉しいのになぁってくらい解説が丁寧です。
自分より難しいレベルの詰将棋に手を出すと、
「こう逃げたら詰まなくね?でも解説ではこの変化全く触れてねーし( ゚д゚)」
ってことがよくあるんですよねー。
少し捻った5手詰とか7手詰で同じようなの出してくれないかなー。
|д゚)チラッ


因みに本アプリのレビューで、解いた後の解説でも詰んでいない、解説が間違っているなんてレビューが多かったので、少し不安だったんですが、全て解説読んで、問題として破綻している所や解説がおかしいところはなかったです。
あえていえば、No.42の解説文中に一部誤植があった程度です。

また、▲4四金は▽同桂なら▲同竜▽3ニ玉▲3三桂成以下詰むのだけれど、金を取らずに▽5ニ玉と引かれて失敗だね。

ここの▽5ニ玉は誤植で、▽4ニ玉が正しいです。ただ、これも文脈から直ぐ分かるので問題ないでしょう。


おそらくレビューを書いた人が詰将棋のルール(意味のない合駒の無効など)を知らないか、正解を読み取る棋力がなかったかのどちらかだと思われます。

レビューの中に、「相手の持ち駒が全く表示されてないのに、駒を打って対処される。解けるわけないじゃん!!」みたいなレビューもあったので…。
少し、悲しいですね。

初心者や将棋をあまり知らない人がプレイ層に多いからこそ、解説が丁寧ってのはやはりメリットでしょう。



また、デメリットをあえて挙げるならば、詰将棋アプリ全般に言える、「手で駒を操作して解く」点が挙がりますかね。

読み切れてないのに取り敢えず指してしまって、運良く正解してそのまま、又は本筋が分かってしまう、なんてことが起こりうるんですね。
(まぁ、この機能がないと何をもって正解とするか判別仕様が無いからしょうが無いんだろうけど。)

楽しむ勢には良い機能かもしれません。
ただ棋力向上を目的とするならば本で解く時と同様、読み切ってから手を指すことをオススメします。
もちろん、詰将棋に動的なゲーム性を付与する、解いた時間を活用してアプリ内のランキングで競う、などメリットもあるんですけどね。



因みに私の解答時間は、

合計タイム:23分53秒(1問平均28秒)

正解数49問/50問(正解率98%)

でした。
初段認定は叶いませんでした。(ヽ´ω`)
因みにNo.8の問題間違えました。
まさかあんな合駒があるとは…、迂闊だったぜ。
ぜひ、解答時間や正解率で私を超えて優越感に浸って下さい。
(このアプリでは解答時間計測は自動でやってくれないので、やってみたい人は自前のストップウォッチ等で測ってみてくださいね)



あ、あとですね、問題を10問50問と解くと、それぞれ一枚ずつイラストが見れるようになります。
人によっては興味ないって人もいるでしょうけど、せっかくのアプリだから、何というかちょっとでもゲームしてる感出ていいじゃんね。
クリア報酬、みたいな?
(最近ゲームしてないけどねぇ)


個人的には透明感あって素敵なイラストだなと思いました。
他にも詰将棋アプリは沢山あるので、挑戦してみてはどうでしょうか。