苦しんで強くなる将棋ブログ

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才能皆無だが、試行錯誤して棋力向上を目指す。日常ネタもたまに…

『ステップアップ詰将棋3手・5手・7手』レビュー

ちょくちょく解いていた詰将棋本がやっと解き終わりましたので、レビューしたいと思います。
今回は結構苦労しました(;^_^)



ステップアップ詰将棋3手・5手・7手

ステップアップ詰将棋3手・5手・7手



本書の構成

本書は2016年7月に出版された、青野照市九段著の詰将棋集です。

あとがきに、本書のコンセプトが記載されていたので、そこから一部引用します。

 3手詰なら何とか解けるが、5手詰となると難しく、7手詰はちょっと手が出ない、というファンは、かなり多いのではないだろうか。
 本書はそういう方のために、3手詰で学んだ手筋を5手詰や7手詰に応用すれば、今まで解けなかった問題も解けるようになってほしいという、『ステップアップ』の詰将棋集である。

本のタイトルからも察することができますが、やはり詰将棋が苦手な人を対象にした本のようです。

各問題に、
 
何の手筋を使うか(例:不成の手筋)
問題のタイトル(例:玉を逃がさない桂の動き)
ヒント(例:下段への逃げ道を塞ぐ)

が記載されています。
実質この3要素が全てヒントになり得るので、一般的な詰将棋集と比較して苦手な人を意識しているのは伝わってきます。


また問題数は160問で、その内訳は下記の通りでした。
・3手詰が60問(8級~6級)
・5手詰が55問(5級~2級)
・7手詰が45問(3級~二段)

各問題に時間と解けた場合の参考級位(段位)が設定されています。
よくある形式ですね。
(例:5分で7級、15分で二段など)

またそれとは別に、全160問の正答数の数で8級~二段の実力判定ができるようになっていました。


実際に解いてみた感想

実は将棋を始めて間もない頃に、青野先生の『9級から初段までの基本詰将棋』という本を買って読んだのですが、最初の数ページ以外全く解けずにトラウマになった過去がありまして……(ノД`)
もう、本当初段って異次元だなって絶望したものです。

で、そのトラウマを払拭するための、まさにステップアップとして買ったのが本書です笑。
何だかんだ詰将棋も解いてきたし、これなら簡単そうだし大丈夫だろうと。


でも甘かった……。

3手詰はそんなに苦労しませんでした。むしろ簡単な方だったと思います。
5手詰も後半正答率が悪くなりましたが、まあ解けなくはなかったです。

でもね。
7手詰がボッコボコでした。

全然ページ進まなくて解くのが嫌になってきて、サボって余計解けなくなって、と負の連鎖が起こっちゃったよ。
最後まで何とか解ききったけど、解けなさすぎて自分が嫌になってしまった。

今まで解いてきた7手詰って簡単な問題だったんですね。
いや、この本も苦手な人を対象にした本みたいだから多分簡単な問題をチョイスしているとは思うんですけどね。

簡単な問題も確かにあるのですが、私レベルでは全体的にテクニカルな問題が多いように感じました。
二段クラスの問題は、解答見て素で「マジか……」って言いまくってた。


実際解いた結果

今回は思考時間の上限を15分に設定して解いてみました。
結果は下記の通り。

f:id:gerren:20181026222554p:plain:w400

結果を見ると、やはり3手詰は比較的簡単な問題が揃っていたようですね。
ただ5手詰は全体的に以前レビューした『5手詰将棋』よりも確実に難しかったです。
多分ハンドブックシリーズと同じくらいかな?

7手詰に至っては正答率が悪すぎて、データとして参考にならないレベル( ̄。 ̄;)
ふつーに正答率60%ってヤバくないですか。

取り敢えず今の自分には難しすぎました。
いや~めっちゃ疲れた。


因みに、私の全体を通しての正答数は、「128/160問」で、私はこの本に「実力1級以上」を認定されました。
ただ各設問に設定された時間以内に解け、ということであれば、さらに正答数が下がり認定級位も下がる可能性があります。

評価としては甘くもなく辛くもなく、妥当な線だと思います。


良かった点

一般的な詰将棋の問題集で手筋を学ぶ場合、まず問題を解いてから「あ~、これが××の手筋か」という風に学習していくわけですが、この問題集は「××の手筋の問題です!」と先手をとって教えてくれます。

漠然と解くのではなく、各詰将棋の手筋を意識して解くことになるので、良い効果も期待できそうです。

あとは復習する時に、苦手な手筋の問題だけ絞って解く等、そういった使い方もできる点は良いですよね。

ヒントも多いので、ノーヒントで解くよりは問題の難易度も下がって基本的には解きやすくなっているハズ。


悪かった点

ヒントの内容にやや難あり?

ヒントのせいで、逆に泥沼にはまった問題が何問もありました。
(あくまでも私の場合です)
またヒントがほぼ答えで、一瞬で解けてしまった問題も僅かにありました。

ヒントが多すぎる

わざわざヒントの項目を用意しているのに、問題タイトルにまでそのような要素を入れるのはナンセンスだと感じました。

ヒント項目は問題下に小さく表示されているので隠すことも可能ですが、タイトルのフォントサイズは大きいので嫌でも目に入ります。
ヒントを見たくない人にはこの点はデメリットでしょう。

個人的感想ですが、何の手筋を使うかだけ表記して、他はノーヒントくらいがバランスが良かったのではないかと思います。


詰将棋のタイム計測について思ったこと

今まで詰将棋本のレビュー記事を書く時は、平均タイムと正答率を記載していたのですが、今後はもう止めようかなと考えています

理由としては、正答率が悪くなればなるほど、データとして参考にならなくなるからです。
(全問回答時間と正誤を載せれば別ですが……、それを見る程みんな暇じゃないよね)

例えば今回の結果を例に挙げると、15分考えて解けなくてギブアップした問題もあれば、思考時間1分そこそこで解けたと思って間違っている問題もあるので、平均所要時間が短いからといって、簡単な問題が多いとは言えません。

正答率が高ければ、タイムの方も比較的信頼できるデータになるのですが、現在の自分の実力では厳しそうです。
今後は、基本的に正答率のみお伝えしていこうかなと思っています。

まあ簡単な問題集だったらやるかもしれないですけど。


最後に

新たなトラウマ本が一冊増えてしまいました。

青野先生はあとがきにて、繰返し解くことを推奨されていましたが(最低3周)、もう私のライフはゼロです。
青野先生すみません。

もっと簡単な詰将棋を解いて英気を養ってから戻ってきたいと思います。
解くのが嫌になるよりは、簡単なものを繰り返した方が効果は高いような気がするので。
『9級から初段までの基本詰将棋』に再挑戦するのはいつになるのやら(ーー;)


青野先生の詰将棋本は、そんなに難しくないと聞いていたのですが……。

相性が悪いのか、私がショボいだけなのか。
はい、完全に後者です。


詰将棋本はひたすら周回するのが基本らしいですが、実は何度も周回した本ってハンドブック(黄)くらいなんですよね。

地力がある程度つくまでは、3手、5手、7手それぞれ一冊ずつ固定して周回するのが正解なのでしょうね。
うーん、でもどの本がいいんだろう。簡単な本が良いな。
やっぱりハンドブックシリーズ?