苦しんで強くなる将棋ブログ

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『解いてスッキリ!3手5手の詰将棋』レビュー

またしても詰将棋本を紹介します。
詰将棋を解くのが最近は習慣化してきたので、一定ペースで今後もレビューしていくことになるかと思います。



2015年に発売された、本間博先生の詰将棋本です。
詰将棋を初級者にいかに楽しんでもらうか、という著者の気持ちと工夫が詰まった一冊です。


目次

◎本書の構成

まず、目次を本書から引用すると、以下のようになっています。

序 章 詰将棋上達のコツ
第1章 解いてスッキリ!3手詰partⅠ
第2章 解いてスッキリ!3手詰partⅡ
第3章 解いてスッキリ!5手詰partⅠ
第4章 解いてスッキリ!5手詰partⅡ
第5章 解いてスッキリ!7手詰
コラム① 古典名作の世界1
コラム② 古典名作の世界2
コラム③ 古典名作の世界3
コラム④ 古典名作の世界4
コラム⑤ 古典名作の世界5
コラム⑥ 古典名作の世界6


3手詰が各パート50問の計100問。
5手詰が各パート35問の計70問。
7手詰が計10問。

3手と5手がメインで、7手は挑戦問題という位置付けだそうです。

ヒントあり。


また、この本の最たる特徴ですが、以下のルールに従って作られています。

配置駒5枚以内
持ち駒は2枚以内
・打ち歩詰め打開手筋の2題を除いて全てが手筋の捨て駒を含む

持ち駒の少ない簡単そうな問題図にして解く意欲を煽ったり、詰め将棋を解く上で不可欠な捨て駒の手筋を身につけさせるための問題構成から、初級者に役立ってもらいたいという本間先生の熱意が垣間見えます。

実際、まえがきにもその旨が書いてあり、
詰将棋の面白さを広く知っていただくための易しい問題集」とのことです。



◎実際読んでみた感想

3手詰と5手詰は少しずつ並行して解いて、最後に7手詰を一気に消化しました。
3手詰と5手詰はパート1とパート2がありますが、パート1が易しく、2が難しい印象。
後半の5手詰は結構手応えがありました。
7手は手数が伸びた分だけ難易度が上がっているといった感じで、私レベルでも解けないほどではなかったです。

配置駒が少ないから必ずしも簡単というわけではないことは重々承知していますが、パート1の3手詰は非常に簡単な問題が多かったので、『1・3・5手実戦型詰将棋』を超える簡単な詰将棋集を期待してしまいました。

結果、全体として予想(期待)よりは難しかったです(^_^;)
簡単な問題と難しい問題が入り混じってる感じなので、連続で解けない問題に直面することはなく、そういう意味ではバランスが良いかもしれません。



◎特に良いポイント1(解きながら復習できる構成)

本書の良い点として、ある詰め手筋の問題を解いた後、引き続き同じ手筋で解く問題が故意に連立させてある箇所がチラホラ見受けられる点が挙げられます。

解いていく中で、自然と復習できるようになっているのです。

例えば、私は打ち歩詰めの問題(第167問)が解けず、降参して答えを見ました。
解答は不成を用いて玉の逃げ場所を作る手筋で、解説にも「打ち不詰めには不成」という手筋があると書いてあり、なるほどと思いました。

そして次のページをめくって問題に読みを入れると、打ち歩詰めが生じる変化があるんですね。
早速「打ち歩詰めには不成だったな」と、不成で考えて見るとアッサリ詰みました。

私は打ち歩詰め打開の手筋として、これを学んだだけでも本書を読んだ価値がありました。

人それぞれ何かしら発見があるかと思います。



◎特に良いポイント2(コラム)

普通の詰将棋本は、まえがき以外はひたすら問題と解説が羅列してるだけの構成なんですが、この本は途中にコラムがあります。

古典詰将棋の紹介なんですが、これがなかなか面白くて、良い頭休めになりました。
詰将棋の面白さというのは、こういう作品に触れなければ知ることはできませんね。
(知ってる問題もありましたが)


せっかくなんで1問紹介します。


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エレベーター詰と言われる有名な古典詰将棋だそうで、堀半七作だそうです。
一見簡単そうだが、なかなか詰まない。

手数は19手ですが、図面がシンプルなので十分頭の中で試行錯誤できます。

あえて答えは書かないので、どうしても解けない方は「エレベーター詰」でググってみてください。



◎実際解いた結果

私が実際に解いた結果は以下の通りでした。
今回は思考時間を一問10分までと決めて解いてみました。


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10分で解けずギブアップした問題が、
5手詰:第107問、第120問、第138問、第150問、第167問
7手詰:第179問
でした。

以前解いた『3手詰ハンドブック』が平均タイム41秒、『5手詰将棋:テーマは「実戦! 」 (将棋パワーアップシリーズ)』が2分14秒だったので、全体としてみれば、比較的簡単な3手詰、5手詰集と言えそうです。
7手は『3・5・7手実戦型詰将棋-基本手筋をマスターし、級から段へ (池田書店 将棋シリーズ)』の7手詰と同じくらいの難易度でした。

5手詰以下の難易度で比較するなら、
1・3・5手実戦型詰将棋<本書<○手詰将棋シリーズ<ハンドブックシリーズ

という感じになりそうです。
(高橋先生の3手詰将棋は未読ですが)

内容としては『1・3・5手実戦型詰将棋』の方が簡単ですが、たまにややトリッキーな問題もあるので、解けた時の爽快感は全体としてこちらが勝ります。


ただ、初心者が最初の問題集として使う場合、使い方を工夫する必要がありそうです。

全部読破を目標とせず、詰将棋上達のコツの部分と3手詰のパート1をまずは反復する、という使い方であれば将来的に5手詰や7手詰にもチャレンジできるし良い教材なのではないかと思います。



◎終わりに

思ったよりは手応えがありましたが、コンセプト通りの良い本だと思います。

何より、途中のコラムの古典名作が面白かったです。
多分知ってる人は何処かで見たような問題なのでしょうが、知らない身としては新鮮でした。


現在私は、詰将棋に関してはとりあえず色んな問題を解きまくっていますが、同じ本を反復するという方法も有効だと耳にします。

あくまでも棋力向上のためにやっているので、近々反復方式も取り入れようかと思っています。
メリットとデメリットは考えれば予測がつきますが、今はメリットの方が大きそうです。

浦野先生のハンドブックシリーズか高橋先生の○手詰将棋シリーズがヒントがないので、反復するには良さそうですね。