苦しんで強くなる将棋ブログ

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才能皆無だが、試行錯誤して棋力向上を目指す。日常ネタもたまに…

『爽快!3手詰トレーニング200』レビュー

詰将棋解答選手権への参加のためトレーニング本として活用していた内の一冊が読み終わりましたので、レビューします。
読み終わったのは、ちょうど前日でしたので結構この本には時間を使いましたね…。



渡辺明棋王監修の2014年6月発売の詰将棋本です。
つい先日Amazonで新品を買ったのですが、なぜか初版第一刷でした。
売れ残りの一冊かな?


本書の構成

本の構成については、まず目次を本書から引用すると、

◎序 章 詰みの基本を覚えよう
◎第1章 3手詰パート1
◎第2章 3手詰パート2
◎第3章 3手詰パート3
◎第4章 3手詰パート4

となっています。

序章で、詰将棋を解くための手法(開き王手、両王手、吊るし桂等)を解説し、以降は50問ずつ4セット計200問の問題がズラッと並びます。


見開きの左ページに問題とヒントと難易度、右ページに問題の解説が書かれています。
ヒントと難易度は下の隠しやすい位置に記載されているので、見たくない人には良い構成でしょう。
(欲を言えば、文字を小さくしてできるだけ下に寄せて欲しかった。)


また、この本の最も大きな特徴としては、変化が多い問題が殆どで、「その変化全てを読み切らないと完全に正解はやらないよ」というスタンスをとっている点です。
これはなかなか新鮮でした。


各パートごとに棋力を認定する構成で、
・全ての変化を読み切れば5点
・正解だけど読み抜けがあれば3点
(250点満点)
とする採点形式になっているんですね。


時間が考慮されてないのも他の詰将棋本の棋力認定と異なり、実際どこまで信用できるかは謎なのですが、問題毎に○段!とかするよりも個人的には現実味がある感じはしました。


……因みに、「全ての変化を読み切るって当たり前じゃん!!」
って思った方たくさん居られると思います。

詰将棋を「トレーニングで解く上では」当たり前の心構えですもんね。
(¯―¯٥)

ただ、実際の詰将棋では駒余りなしの正しいルートだけを読み切れば一応正解といえば正解なわけで……、読みに抜けがあっても流してる人いると思うんですよ。


実際に私は意識的に解いてみて、こんなに抜けがあったのかと驚きました。(ToT)



因みに、難易度が表記されていることは前述しましたが、☆、☆☆、☆☆☆の三段階で区別してあり、各章ごとの振り分けは、下記のようになっていました。

○第1章(パート1):☆16問、☆☆28問、☆☆☆6問
○第2章(パート2):☆7問、☆☆38問、☆☆☆5問
○第3章(パート3):☆13問、☆☆31問、☆☆☆6問
○第4章(パート4):☆8問、☆☆35問、☆☆☆7問

難易度の配分には、若干の偏りがありますが、☆☆と☆☆☆には難易度の差は感じず、☆は確かに簡単な問題が多いかな?程度の印象でした。



私が解いてみた結果

実際に解いてみた結果は下記の通り。
(参考として3パターンで分けてみました。)

①20問ずつ
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②難易度別
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③各章(各パート)別
f:id:gerren:20180409220204p:plain



見てお分かりの通り、第4章の前半の問題が異様に難しく、第4章の結果は散々でした。
全体の考慮時間も『3手詰ハンドブック』では平均1分かからなかったのですが、倍以上かかってしまいました。

108、112、150、152、153、174、200の計7問については、10分経過して答えが見えなかったので、時間切れでギブアップ。


棋力認定の結果は、250点満点で、
○第1章(パート1):228点→初段
○第2章(パート2):217点→1級
○第3章(パート3):214点→1級
○第4章(パート4):180点→2級
という結果でした。
パート1の初段は嬉しいですが、それ以外の結果は実力相応って感じですかね。
結構信頼性がある採点方式かもしれません笑


『3手詰ハンドブック』は初手が見えればほぼ一本道ですが、本書は非常に変化が多いので、ほぼ答えという確信はあっても一つの変化が読みきれず時間を使ってしまう、というパターンが多かったです。


難易度は3手詰本としては、高めだと思いますので、『5手詰ハンドブック〈2〉』を解けるようになったあたりで挑戦するのが良いのではないかと思います。


まあ、タイトル通り、トレーニングという目的でなら非常に良い本です。



出題ミス・記載抜け等

この本の唯一の欠点を挙げるとするならば、「変化を全て読み切る」がコンセプトなのにもかかわらず、変化の記載抜けが散見されることです。
後、出題ミスも一問ありました。


これは個人的には、かなり萎えます。(¯―¯٥)
まぁ、気にしない人は気にしない所ですけどね。



以下私が気づいた記載抜け等です。
初版第一刷以降が存在するのであれば、修正されているかもしれませんのであしからず。
(もし私が間違っている箇所があれば、コメントしていただけると幸いです。)


◎第17問:抜け ⇒【2手目の変化】③△15玉は▲26飛成
◎第32問:抜け ⇒【2手目の変化】④△33合▲同飛成△41玉▲42龍(変化長手数)
◎第45問:抜け ⇒【2手目の変化】④△13玉は▲24龍
◎第55問:抜け ⇒【2手目の変化】③△15玉は▲13龍
◎第59問:抜け ⇒【2手目の変化】③△31玉は▲42馬
◎第74問:抜け ⇒【2手目の変化】④△23玉は▲22金
◎第75問:余詰め(出題ミス) ⇒「▲34金は△32玉で失敗。」と記載されているが、実際は▲34金△32玉▲31龍で詰み。
◎第91問:抜け ⇒【2手目の変化】④△14玉は▲24龍
◎第122問:抜け ⇒【2手目の変化】③△35合▲同角△34玉▲44金(変化長手数)
◎第133問:抜け ⇒【2手目の変化】⑤△13玉は▲24飛成
◎第134問:抜け ⇒【2手目の変化】③△42同玉は▲32龍
◎第180問:抜け ⇒【2手目の変化】④△14玉は▲41角成、⑤△34玉は▲53飛成



あまり、結果が芳しくなかったので、内容を忘れた頃またリベンジしたいですね。