藤井聡太全局集が発売決定【棋譜集を形式別で整理してみた】
先日、個人的にかなり衝撃的なニュースがあったので紹介します。
藤井聡太六段の全局集が発売決定し、現在予約受付中の状態です。
- 作者: 書籍編集部
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2018/06/26
- メディア: 単行本
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正直、驚きました。
過去の偉人と言われる伝説級の棋士や今現在A級でバリバリ活躍している棋士でも個人の全局集を出している棋士はほとんどいません。
全局集とは、要するに対象のプロ棋士の、デビューした後の公式戦の全ての棋譜を掲載し解説したものですが…、これがなかなか出版までの条件が厳しいらしく、ほぼ存在しないのです。
少し、順を追って説明したいと思います。
まず、そもそも棋譜集を買う価値についてなんですが…
棋譜は今の時代ネットでも見れますから、棋譜が載っているだけでは正直あまり価値がありません。
むしろデータベース化しているので、そちらの方が圧倒的に便利だったりします。
よって、個人的には「解説がどれだけ詳しいか、誰が解説しているか」が棋譜集の需要と価値を決定するような気がします。
例えば対局者本人の解説であれば、何を思って指していたのか、など実際の心理的掛け引きを知ることができ、勉強だけじゃなく鑑賞的な面白さも増したりするわけですね。
まあ、そういった理由で棋譜集を買い求めるわけです。
で、次に当たり前なんですが、全局集は棋譜集の形式の一種であり、実際には他にも色々な形をとり出版されています。
最近だと、戦法別にまとめたものもあります。
ただ、個人の名前を全面に押しだしている棋譜集に絞ってみると、その中での出版までのハードルは異様に高いです。
少し、ハードルの低いものから順に並べてみたいと思います。
(※以下、全て私個人の見解です。
失礼な書きっぷりもあるかもしれませんが、尊敬語や敬称を多用すると読みにくいと思いますので、その点ご了承ください。)
実践集、名局集など
【ハードル:低】
- 作者: 加藤一二三
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2015/11/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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まず、個人名を全面に出している棋譜集で一番ハードルが低いと思われるのが、実践集や名局集です。
過去タイトルをとったり、棋風から異名を付けられるような名棋士から出ている印象です。
泥沼流、カミソリ流、火の玉流とかがそうですね。
実践集は現役のトップ棋士、名局集は引退した先生方から基本出ているようです。
数ある対局の中から、好局や思い出深い対局の棋譜を「厳選したもの」になります。
出版の条件としては、
①A級在籍経験がある
②基本タイトル戦に絡んでいる
③将棋界で何かしら功績を残した
④それ以外でも人気の高い棋士
って感じでしょうか…
何にせよ、これは並べる価値がある!と思わせるような好局が多く存在することが必須です。
「一番低いハードルでこれかよっ!?」
って感じですが、同じ時間で棋譜を並べるなら強い棋士の棋譜を並べたいと思うのは当然なので、トップレベル以外の棋士の棋譜集をお金を払ってわざわざ買いたい人は少ないのが、悲しいですが実情でしょうね…
タイトル戦などに焦点を絞ったもの
- 作者: 読売新聞社,読売新聞=
- 出版社/メーカー: 読売新聞社
- 発売日: 2006/02
- メディア: 単行本
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次に、タイトル戦に焦点を絞った形式のものが挙げられます。
こういった形式の本の特徴としては、例えば名人戦であれば7局しかないわけですから、棋譜や解説が詳しいのは当たり前、当時の棋士本人の心情や何を夕食に食べたか等細かい所まで載っているものが多い印象です。
どちらかというと勉強目的というより、ファンブック的な側面が強いのかな…
出版の条件としては、
名人戦や竜王戦の七番勝負に出ることですが、より需要を求めるならば、
①タイトル保持者や挑戦者が人気の高い棋士
②最終局までもつれ込んだりと、熱戦が多い
③記録的なものが絡んでいたり、何かしら注目される理由がある
って感じですかね?
実情としては、名人戦は条件なしで毎年出版されているようです。
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2017/08/18
- メディア: Kindle版
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竜王戦は少し前までは、毎年?出ていたようですが、今は出ていないんですかね、見当たらないです。
あと、かつて『将棋名人戦全集 全12巻 第1期から第35着まで 編者: 大山康晴 (将棋名人戦全集) (将棋名人戦全集)』なんてものもあったみたいですね。
ただ、考えると分かりますが、名人戦や竜王戦の決勝まで漕ぎ着けなければいけないわけですから、ターゲットとなる棋士にはその時点での世界最強レベルの棋力が必要です。
VS(ブイエス)形式の全集
【ハードル:中〜高】
- 作者: 大山康晴,中原誠
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2018/03/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この辺からハードルがぐっと高くなります。
VS形式の特徴としては、二人の棋士に焦点をあて、その対局を全て載せている構成となっている点です。
要するに上手く指せた対局も、ポカして頓死して負けたような対局も全部載るわけです。
そこが名局集等との明確な違いになります。
ただそれを含めてもこの二人の対局は名局ばかり!非常に勉強になる!という場合のみこういった形式の本になる印象です。
近年の本で手に入る可能性があるのは、以下の7冊です。(他にあったら気づいた時点で随時追加します。)
・『谷川vs羽生100番勝負―最高峰の激闘譜!』(2000/日本将棋連盟)
・『永久保存版 羽生vs佐藤全局集 (プレミアムブックス版)』(2006/日本将棋連盟)
・『羽生VS森内百番指し』(2011/毎日コミュニケーションズ)
・『大山VS升田全局集』(2016/マイナビ出版)
・『大山VS米長全局集』(2017/マイナビ出版)
・『中原VS米長全局集』(2017/マイナビ出版)
・『大山VS中原全局集』(2018/マイナビ出版)
出版される条件としては、
①両名が時代を築いた最強クラスの棋士
②最低でもどちらか一名はその中でも群を抜いての超人気棋士
って感じでしょうね。
このレベルになると全員名人獲得経験はあり、永世名人や竜王(十段)取得などタイトルの獲得回数が多い、その時代の最強に名前が上がる棋士ばかりです。
特に羽生、大山の名前が目立ちますね。
VS形式の旨味としては、対局者同士の勝負の歴史を時系列に沿って鑑賞できる点でしょうか。
個人の全局集
【ハードル:高】
- 作者: 将棋世界
- 出版社/メーカー: マイナビ
- 発売日: 2015/09/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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最後に、最もハードルが高いのが個人の全局集になります。
(今回、藤井六段が出すのも、このタイプ)
棋士個人にターゲットを絞って、デビュー戦からある時点に至るまでの全公式戦の対局の棋譜とその解説を収録したものです。
VS形式との違いについては、相手が誰であれ全部載る点にあります。
失礼な言い方ですが悪く言えば、
「その人が指しているのなら、相手が強かろうが弱かろうが勉強になる」
って事でしょうね。
(もちろん、勝ち続ければいずれ強い相手としか当たらなくなるわけですが)
他にも購買層には、最強の棋士が指している将棋だからこそ、安心して参考にできるみたいな心理もあると思います。
出版される条件としては、
①時代を築いた棋士の中でも、抜きん出て結果を出している超人気棋士
という一点だけでしょう。
棋士本人に超絶的な強さと人気がなければ誰も全ての棋譜をチェックしようなんて思わないので売れない、よって出版されないと思います。
実際に、私が知る限り個人の全局集を出しているのは木村、大山、升田、谷川、羽生の5名だけです。(既に絶版のものもありますが、再販されているものも多く、また羽生、谷川両名につきましては他に続編の書籍があります。)
・『木村義雄全集』(1944/博文館)
・『大山康晴全集』(1977/大修館書店,1991/マイナビ出版)
・『谷川浩司全集I 名人就位まで (プレミアムブックス版)』(1989〜/毎日コミュニケーションズ,2018/マイナビ出版)
・『CD-ROM版 升田幸三全局集』(2005/講談社)
・『羽生善治全局集 ~デビューから竜王獲得まで~』(2014〜/マイナビ)
終わりに
長くなりましたが…
藤井六段が全局集を出すと聞いて驚いたのは、これらの棋士と比較して才能は負けじ劣らじと言えど、未だ大きな実績を残していないと言えるからです。
確かに、史上最年少プロデビュー後の29連勝や全棋士参加棋戦である朝日杯将棋オープン戦優勝による史上最年少六段昇段、順位戦全勝での昇級…
いずれ史上最強と呼ばれる可能性は十分に垣間見えますが、未だタイトルをとっているわけでもありませんし、史上初七冠を達成した羽生先生でさえ全局集が世に出たのは比較的最近であることを考えると、早すぎるような気もします。
ただ、近頃の将棋ブームを巻き起こした張本人であり、今がノリにのっている時期だからこそ、新たな将棋ファンを取りいれるためにも「今」がタイミングなのかもしれません。
というか正直、単純に藤井聡太全局集欲しいしね(^_^;)
古い棋士の棋譜も勉強にもなりますが、やはりリアルタイムで活躍している棋士の棋譜ってのは新鮮味がありますよね。
軽い気持ちで覗いてみたくなるというか。
藤井六段が他の棋士と違う点は、まだ結果は出していないけども、将来的にトップ棋士としての活躍を確信させる、またされている、という点でしょうね。
要するに、
「超ビックリしたわ!」
ってのを書きたかっただけなんだけどね…
メチャクチャ長くなってしまった。
スイマセン(´-﹏-`;)
おそらく今回売れれば、来年以降も年度ごと続きが出版されるのでしょうが、気負わずノビノビ指していただきたいです。
因みに、現在予約受付中の藤井六段の全局集ですが、以下のサイトで通常版とは異なる愛蔵版の予約も受け付けてるようなので興味ある方は是非。
特典もあるようです。
(値段倍くらいしますが笑)
将棋情報局
(https://book.mynavi.jp/shogi/products/detail/id=90486)
因みに棋譜集についてずっと語ってきてあれですが…
棋力向上という観点で棋譜並べは勉強に必須かというと、私自身もまだ必要と思える棋力ではないので確信はないのですが、少なくとも級位者のうちは無理に取り入れる必要はなさそうです。
(プロの先生方の手の意味を理解できるレベルにないため)
ただ、棋譜を並べていると、あっそういう攻め方があるんだっ!?とか級位者には級位者なりに色々発見があるので、気分転換にでも並べてみるのはオススメです。
いつも同じ展開になって自分の将棋がマンネリ化してる人は、そこから抜け出すヒントをもらえるかもしれません。
他にも早く並べるべきかジックリ並べるべきかとか、実物の盤駒か電子か、とか色々試行錯誤するポイントはあるんですが、それはまた今度。
因みに蛇足かもしれませんが…
全集について一つ気になる点があるとすれば、大東亜戦争前にシリーズもので『名人八段指将棋全集』(1928/大森書房)という棋譜集が存在しており、巻ごとにターゲットの棋士が入れ替わる構成だったみたいなんですが、(例:一巻は関根金次郎十三世名人)実際に今まで説明してきた意味での全局集であるかは古すぎて不明です。
まあ、他にも知らない棋譜集が実はあるかもしれないですが、あくまでも近年で手に入る棋譜集としては、述べてきた事に大きな間違いはないと思いますのであしからず。
※2018/5/30追記
記事タイトルを変更しました。
- 作者: 書籍編集部
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2018/06/26
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このブログの目的について今更ながら少し書いてみる
こんにちは。
突然ですが、このブログの当面の目的についてサラサラッと文字にしておこうと思います。
いや〜そういえば、一番初めの記事で、初段目指します的なことを書いたけど、何の目的でどういった記事を書いていくのか殆ど触れてなかったなって。
記事を読んでくれている人の中にも、「結局何のブログなんだよっ!」と心の中でツッコんでいた方もいるかもしれないし…(-_-;)
以下、目的を列挙していきます!
「私自身の棋力向上」
まあ、ぶっちゃけるとコレが本音です。
私も強くなりたいんです。
買ったが読んでいなかった本や、難しくて読む気がしなかった本…。ブログで紹介する!というモチベーションのために消化して私自身の棋力向上を狙います。
また紹介するためには、どういった人にオススメの本なのか、本のキモを捉える必要があるため、自分自身でも「良い意味で」考えて読むクセがつくかなと。
他にも、例えば勉強のやり方を改善したりするきっかけになる、など良い効果を期待しています。
棋力が伸び悩んでいる級位者救済
まあ、私も級位者ですがそこは置いといて。
自分が伸び悩んでいた時期に読んで役にたった本などを紹介。
また、私の良かった勉強法と駄目だった勉強法をそれぞれ知ってもらい、参考にしたり、反面教師にしてもらうことが目的です。
高段者は自分が初心者だった頃の感覚を忘れてしまっている人が結構います。
特に子どもの頃に将棋に出会って、子ども時代に有段者になった人については、そもそも分からない感覚が分からないって感じでしょうね。
私も昔友達と将棋を指していた際、端歩を突かれたので、他に手も見えないし端歩を突き返したら、
「端歩突かれたら、反射的にいつも突き返してるだろ!何も考えてないよね。考えないと強くならないよ?」
と説教されたのを思い出します。
でも、考えるも何も初心者って考える土台がそもそもないんですよね。
自分が先手なら、銀一つ上げるのでも▲38銀と原始棒銀以外の攻め筋は知らないわけです。
まかり間違って▲48銀とした場合どう次に銀を使っていいのか分からないんですよ。
また盤面を読む能力も皆無ですから、避けられる駒をわざわざ相手にプレゼントしたりもするわけで、形にもなにもならないんですね。
全員が全員ではないですが、そういう状況でヤル気がないと勘違いするのか、イライラしてしまう有段者の方が結構いるのは事実です。
他にも、全国レベルの強い知り合いに、「ウォーズ5級なんだけど、オススメの詰将棋本ない?」って相談したら、『いちばんやさしい7手からの詰将棋―長手詰めでもラクラク解いて棋力をUP!』を紹介されたって話もあります。
この本は初めて7手以上の詰将棋に挑戦するにはものすごく良い本なんですが、流石に3手詰も当時満足に解けなかった私では歯が立ちませんでした。
今でも最初の問題が金をひたすら打って頭金まで、みたいな問題だったのを覚えていますが、それですらかなり苦労しました。
要するに、簡単な詰将棋本を貸したつもりだったんでしょうけど、私のレベルの低さを甘く見てたというか…笑
その点、私はつい最近まで初心者だったようなものなので(今もか?)、初心者の頃の感覚はよーく分かります。
強くなりたいのに強くなれない、追いつきたいのに追いつけない、その悔しい気持ちも理解できます。
そういった人に少しでもヒントが与えられたらなぁという気持ちで、このブログを書いています。
将棋の勉強に有用なアイテムの紹介など(機会あれば)
今の時代、将棋は最低スマホ一つあればそれだけで勉強には困らないくらいのレベルまで来てますが、やはりあると学習が捗るものってのはたくさんあると思います。
盤や駒、将棋ソフトなどがそれですね。
今私自身が、使って試しているものもありますが、これは良いな!と感じられたら、少しずつ紹介していこうと思います。
駒や盤は、安いものから高いものまであり、安くても使いやすければいい人もいれば、少し高価な木の駒を使ってみたいという人もいるでしょう。
この辺は、私も結構試行錯誤したので、かなり有用な情報を提供できるのではないかと思っています。
まぁ、自分で駒を自作する程度にはハマっていました。
ただ、ブログの目的としては駒や盤の紹介は優先度が低いので…要望があれば書こうかな、程度です。
(といっても読んでくれる方の棋力によっては、自分が提供できる有用な情報はこの辺しかないので、いずれまとめるつもりです)
自分が勉強する過程で、皆さんに何かしらフィードバックできたらいいなと思って書いています。
そのため、一つ一つ意味のある記事を書きたいので、更新の頻度は低くなりますがご承知ください。
例えば棋書のレビューであれば、記事を分けるのではなく、一つの記事でできるだけ紹介したいので…。
因みに、このブログは現在スマホで書いてるんですよね。パソコンで書ける環境にしたいのですが…
(´Д`)
『ねこ将棋〜キャッと言う間の1手3手詰〜』レビュー
こんにちは。
最近スマホアプリでも、なかなか有用な将棋アプリが増えてきました。
特に、f21emon(KukiLabo)様が開発、提供されている詰将棋アプリ(スマホ版詰将棋パラダイスなど)は有名ですが、今回はその中の一つ、『ねこ将棋〜キャッと言う間の1手3手詰〜』を紹介したいと思います。
ねこ将棋〜キャっと言う間の1手3手詰〜
KukiLabo無料posted withアプリーチ
以下Google Playのアプリページのアプリ詳細の引用です。
スマホ詰将棋パラダイスで活躍中のパステルマヨさんによる1手3手詰集です。
パステルマヨさん狙いの1手3手を混合させた詰将棋集で、「3手詰もある」という緊張感を持ちながら1手詰を解答する面白さに触れてください。1手詰と3手詰がランダムに出題されるのは、
「詰将棋は手数がわかってしまうとそれが最大のヒントとなってしまう」
ためです。お手つきが一回もなくクリアした場合は初段です。
最近短手数とは言え、ややひねくれた詰将棋ばかり解いていたので、簡単な詰将棋でリフレッシュしたいな〜と思っていたところ見つけたのがコレ!
1手〜3手での構成ということなので、これなら朝飯前って感じで気持ちよくサラッと解けるだろう、ということで挑戦してみました。
因みに、私がプレイしたのは、Google Play版のversion1.0です。
問題数は、全部で50問。
◎No.1〜No.5:1手詰(明示)
◎No.6〜No.10:3手詰(明示)
◎No.11〜No.50:1手又は3手詰(手数不明)
問題のタイトルがスマホ版の詰将棋パラダイスと同じく、その問題の特徴やヒントを表す形式でした。
個人的には、ほとんどの問題が手数不明ってのが中々解きごたえがあって良かったです。
また、1〜3手詰めとはいえ、本アプリの作品は実戦型と言える問題はほとんど無いです。
(詰将棋パラダイスの初級レベルの問題を解き漁っていた時期に、似たような問題をよく見た。)
その上、単打や両王手、開き王手など詰将棋を解く上で欠かせないテクニックはバンバン使ってきます。
故に、全くの初心者にはやや難しいアプリかもしれません。
少なくとも詰将棋のルールと、このあたりのテクニックを知った上で挑戦する方が良いような気がします。
とはいえ、
解説がメッチャクチャ丁寧
なので、意欲がある人はドンドン解いて分からなければ解説を読むのも良いかと思います。
ゲーム内の女の子が若干砕けた文調でツボを押さえて解説してくれるので、読みやすいし頭にスッと入ってきます。
いや〜、これはいいですよ。
普通の詰将棋本でもこれくらい丁寧に解説してくれたら嬉しいのになぁってくらい解説が丁寧です。
自分より難しいレベルの詰将棋に手を出すと、
「こう逃げたら詰まなくね?でも解説ではこの変化全く触れてねーし( ゚д゚)」
ってことがよくあるんですよねー。
少し捻った5手詰とか7手詰で同じようなの出してくれないかなー。
|д゚)チラッ
因みに本アプリのレビューで、解いた後の解説でも詰んでいない、解説が間違っているなんてレビューが多かったので、少し不安だったんですが、全て解説読んで、問題として破綻している所や解説がおかしいところはなかったです。
あえていえば、No.42の解説文中に一部誤植があった程度です。
また、▲4四金は▽同桂なら▲同竜▽3ニ玉▲3三桂成以下詰むのだけれど、金を取らずに▽5ニ玉と引かれて失敗だね。
ここの▽5ニ玉は誤植で、▽4ニ玉が正しいです。ただ、これも文脈から直ぐ分かるので問題ないでしょう。
おそらくレビューを書いた人が詰将棋のルール(意味のない合駒の無効など)を知らないか、正解を読み取る棋力がなかったかのどちらかだと思われます。
レビューの中に、「相手の持ち駒が全く表示されてないのに、駒を打って対処される。解けるわけないじゃん!!」みたいなレビューもあったので…。
少し、悲しいですね。
初心者や将棋をあまり知らない人がプレイ層に多いからこそ、解説が丁寧ってのはやはりメリットでしょう。
また、デメリットをあえて挙げるならば、詰将棋アプリ全般に言える、「手で駒を操作して解く」点が挙がりますかね。
読み切れてないのに取り敢えず指してしまって、運良く正解してそのまま、又は本筋が分かってしまう、なんてことが起こりうるんですね。
(まぁ、この機能がないと何をもって正解とするか判別仕様が無いからしょうが無いんだろうけど。)
楽しむ勢には良い機能かもしれません。
ただ棋力向上を目的とするならば本で解く時と同様、読み切ってから手を指すことをオススメします。
もちろん、詰将棋に動的なゲーム性を付与する、解いた時間を活用してアプリ内のランキングで競う、などメリットもあるんですけどね。
因みに私の解答時間は、
合計タイム:23分53秒(1問平均28秒)
正解数49問/50問(正解率98%)
でした。
初段認定は叶いませんでした。(ヽ´ω`)
因みにNo.8の問題間違えました。
まさかあんな合駒があるとは…、迂闊だったぜ。
ぜひ、解答時間や正解率で私を超えて優越感に浸って下さい。
(このアプリでは解答時間計測は自動でやってくれないので、やってみたい人は自前のストップウォッチ等で測ってみてくださいね)
あ、あとですね、問題を10問50問と解くと、それぞれ一枚ずつイラストが見れるようになります。
人によっては興味ないって人もいるでしょうけど、せっかくのアプリだから、何というかちょっとでもゲームしてる感出ていいじゃんね。
クリア報酬、みたいな?
(最近ゲームしてないけどねぇ)
個人的には透明感あって素敵なイラストだなと思いました。
他にも詰将棋アプリは沢山あるので、挑戦してみてはどうでしょうか。
『爽快!3手詰トレーニング200』レビュー
詰将棋解答選手権への参加のためトレーニング本として活用していた内の一冊が読み終わりましたので、レビューします。
読み終わったのは、ちょうど前日でしたので結構この本には時間を使いましたね…。
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2014/06/24
- メディア: Kindle版
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渡辺明棋王監修の2014年6月発売の詰将棋本です。
つい先日Amazonで新品を買ったのですが、なぜか初版第一刷でした。
売れ残りの一冊かな?
本書の構成
本の構成については、まず目次を本書から引用すると、
◎序 章 詰みの基本を覚えよう
◎第1章 3手詰パート1
◎第2章 3手詰パート2
◎第3章 3手詰パート3
◎第4章 3手詰パート4
となっています。
序章で、詰将棋を解くための手法(開き王手、両王手、吊るし桂等)を解説し、以降は50問ずつ4セット計200問の問題がズラッと並びます。
見開きの左ページに問題とヒントと難易度、右ページに問題の解説が書かれています。
ヒントと難易度は下の隠しやすい位置に記載されているので、見たくない人には良い構成でしょう。
(欲を言えば、文字を小さくしてできるだけ下に寄せて欲しかった。)
また、この本の最も大きな特徴としては、変化が多い問題が殆どで、「その変化全てを読み切らないと完全に正解はやらないよ」というスタンスをとっている点です。
これはなかなか新鮮でした。
各パートごとに棋力を認定する構成で、
・全ての変化を読み切れば5点
・正解だけど読み抜けがあれば3点
(250点満点)
とする採点形式になっているんですね。
時間が考慮されてないのも他の詰将棋本の棋力認定と異なり、実際どこまで信用できるかは謎なのですが、問題毎に○段!とかするよりも個人的には現実味がある感じはしました。
……因みに、「全ての変化を読み切るって当たり前じゃん!!」
って思った方たくさん居られると思います。
詰将棋を「トレーニングで解く上では」当たり前の心構えですもんね。
(¯―¯٥)
ただ、実際の詰将棋では駒余りなしの正しいルートだけを読み切れば一応正解といえば正解なわけで……、読みに抜けがあっても流してる人いると思うんですよ。
実際に私は意識的に解いてみて、こんなに抜けがあったのかと驚きました。(ToT)
因みに、難易度が表記されていることは前述しましたが、☆、☆☆、☆☆☆の三段階で区別してあり、各章ごとの振り分けは、下記のようになっていました。
○第1章(パート1):☆16問、☆☆28問、☆☆☆6問
○第2章(パート2):☆7問、☆☆38問、☆☆☆5問
○第3章(パート3):☆13問、☆☆31問、☆☆☆6問
○第4章(パート4):☆8問、☆☆35問、☆☆☆7問
難易度の配分には、若干の偏りがありますが、☆☆と☆☆☆には難易度の差は感じず、☆は確かに簡単な問題が多いかな?程度の印象でした。
私が解いてみた結果
実際に解いてみた結果は下記の通り。
(参考として3パターンで分けてみました。)
①20問ずつ
②難易度別
③各章(各パート)別
見てお分かりの通り、第4章の前半の問題が異様に難しく、第4章の結果は散々でした。
全体の考慮時間も『3手詰ハンドブック』では平均1分かからなかったのですが、倍以上かかってしまいました。
108、112、150、152、153、174、200の計7問については、10分経過して答えが見えなかったので、時間切れでギブアップ。
棋力認定の結果は、250点満点で、
○第1章(パート1):228点→初段
○第2章(パート2):217点→1級
○第3章(パート3):214点→1級
○第4章(パート4):180点→2級
という結果でした。
パート1の初段は嬉しいですが、それ以外の結果は実力相応って感じですかね。
結構信頼性がある採点方式かもしれません笑
『3手詰ハンドブック』は初手が見えればほぼ一本道ですが、本書は非常に変化が多いので、ほぼ答えという確信はあっても一つの変化が読みきれず時間を使ってしまう、というパターンが多かったです。
難易度は3手詰本としては、高めだと思いますので、『5手詰ハンドブック〈2〉』を解けるようになったあたりで挑戦するのが良いのではないかと思います。
まあ、タイトル通り、トレーニングという目的でなら非常に良い本です。
出題ミス・記載抜け等
この本の唯一の欠点を挙げるとするならば、「変化を全て読み切る」がコンセプトなのにもかかわらず、変化の記載抜けが散見されることです。
後、出題ミスも一問ありました。
これは個人的には、かなり萎えます。(¯―¯٥)
まぁ、気にしない人は気にしない所ですけどね。
以下私が気づいた記載抜け等です。
初版第一刷以降が存在するのであれば、修正されているかもしれませんのであしからず。
(もし私が間違っている箇所があれば、コメントしていただけると幸いです。)
◎第17問:抜け ⇒【2手目の変化】③△15玉は▲26飛成
◎第32問:抜け ⇒【2手目の変化】④△33合▲同飛成△41玉▲42龍(変化長手数)
◎第45問:抜け ⇒【2手目の変化】④△13玉は▲24龍
◎第55問:抜け ⇒【2手目の変化】③△15玉は▲13龍
◎第59問:抜け ⇒【2手目の変化】③△31玉は▲42馬
◎第74問:抜け ⇒【2手目の変化】④△23玉は▲22金
◎第75問:余詰め(出題ミス) ⇒「▲34金は△32玉で失敗。」と記載されているが、実際は▲34金△32玉▲31龍で詰み。
◎第91問:抜け ⇒【2手目の変化】④△14玉は▲24龍
◎第122問:抜け ⇒【2手目の変化】③△35合▲同角△34玉▲44金(変化長手数)
◎第133問:抜け ⇒【2手目の変化】⑤△13玉は▲24飛成
◎第134問:抜け ⇒【2手目の変化】③△42同玉は▲32龍
◎第180問:抜け ⇒【2手目の変化】④△14玉は▲41角成、⑤△34玉は▲53飛成
あまり、結果が芳しくなかったので、内容を忘れた頃またリベンジしたいですね。
詰将棋解答選手権 「初級・一般戦」に参加してきました。
本日第15回詰将棋解答選手権「初級・一般戦」に参加してきました。
小学生の子達が主で、その中に中学生〜年配の方が混じってる感じでしたね。
少し場違いな感はありました笑
参加賞でバックナンバーの詰将棋パラダイスや手作りの冊子(非売品?)を配っていました。
一人3冊までOKとのことだったので、自分はその中から有り難く詰将棋パラダイス2冊と、『詰将棋入門』(石川和彦様著)を頂きました。
『詰将棋入門』は、昭和57年7月号から昭和59年12月号の間に、連載していた講座を復刻したものらしいです。
なんにせよ、そんなものをタダで読ませてもらえるなんて有り難い……!!
今読んでいる本が終わったら、早速読んでみたいと思います。
因みに、ネットで検索してみたところ、この復刻版の詰将棋入門は、無料公開されているようです。
興味がある人は、是非調べて見て下さい。
ん?結果はどうだったかって?
あー、因みに私の結果については…
◎初級戦:6問中、5問正解
◎一般戦:6問中、1問正解
でした。目標には届かず(T_T)
初級戦の方は4番(3手詰)を一問間違えました。
途中退出してから、あれ?待てよ…詰んでなくないか?って気づいたんですが、後の祭りでした。
(なぜか龍を馬の効きで読んでました)
一般戦に至っては、1番〜3番までは自信あったんですが、蓋を開けてみたら最初の1問しか合ってないという…。
少しまだ自分には早かったみたいですね。
いや、みんな解くの早くてバンバン途中退出していくんですよ…やっぱ子どもって頭柔らかいんだなーと思いました。
自分も子どものときに将棋に出会ってればなぁとは思いますが、考えても仕方ないので、大人になってからでも強くなれると信じて日々努力するしかないですね。
取り敢えず、今回は残念な結果でしたが、今回のことで、少しは詰将棋が好きになれたかもしれません笑
来年参加できるか分かりませんが、もし参加できるなら、次は満点がとれるように、詰将棋は続けたいと思います。
因みに↓の本が、満点を取った人に贈られる賞品の内の一冊でした。(もう一冊は昨年度の詰将棋解答選手権の冊子で、どちらか一冊)
正直、満点を取るレベルの方よりも、私レベルの者にこそ必要な本だと思うが…笑
- 作者: 書籍編集部
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2018/01/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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詰将棋解答選手権 「初級・一般戦」開催まであと僅か!
先週の25日には詰将棋解答選手権のチャンピオン戦が開催され、見事藤井聡太六段が全問正解して優勝、4連覇を達成しましたね!
正直、あのメチャクチャ高難易度の問題を全問正解するとか…
あまつさえ前半戦は途中退出するとか…
凄いを通り越して気持ち悪いです
( #`Д´)=○)゚3゚)・∵.スイマセン
まあ、期待を裏切らない所が藤井六段の凄いところだと思います。野球でいうイチローを見てる感覚だなぁ
ま、それはさておき。
私にとっての本番はそこではなく、4月7日(土)開催の、「初級・一般戦」の方です。
あと、一週間と2日で開催なわけです。
詰将棋のモチベーションのために参加する、なんてほぼノリと勢いだけで申し込んじゃったんですが、やはり出るからにはそれなりの成績を残したいわけです。
目標としては、一般戦で善戦したい気持ちもありますが、とにかく初級戦で満点を狙いたい…
そのためには、3手詰と5手詰メインでやるのが大事かなと(初級戦は5手詰までしか出ないので)
とりま、空いた時間で現在取り組んでる本が以下の二冊
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2014/06/24
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- 作者: 高橋道雄
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 2015/12/18
- メディア: Kindle版
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で、購入。なぜか結構古い本なのに、初版第1刷だったのが気になったけど、まあいいや。
全部解いたら別にレビューしようと思ってますが、3手詰ハンドより明らかに変化が多いので、その分読み切るのが大変です。ただ、確かに読みの良いトレーニングになります。良い本だ。
因みに5手詰に関しては、初級戦でもレベルが高い問題が出題(あくまでも自分には)されるので、本来なら中段玉とかのトリッキーな問題に取り組むべきだと思うんですが、最近5手詰はあまり解いてなかったので、ビビって実戦形で優しい(と言っても半年前に半分解いたときはかなり苦戦した)『5手詰将棋:テーマは「実戦!」 将棋パワーアップシリーズ』を選択しました。
「3手詰はウォーミングアップで、気合いが必要なのは5手詰だな!!」
ってイメージで選んだんですが、蓋を開けてみれば、3手詰の方が今のところ明らかにムズイです。
『5手詰将棋』はほぼ初手が決まればあとはほぼ一本道なので読み切りやすいんですよね。
解きやすい5手詰は詰将棋ニガテな自分にとっては99%有り難いんですけど、今だけは別なのです…
うーん、将棋世界に中田先生の5手詰が載ってたと思うし、そっちに切り替えるかなぁ。
余裕があれば一般戦の方の対策として、少し長めの問題にもトライしておこうと思います。
友人のオススメで13手詰まで載っている佐藤康光先生の本を偶然中古で安くゲットしたので、中から適当に解くかな〜。
- 作者: 佐藤康光
- 出版社/メーカー: 成美堂出版
- 発売日: 2008/11/06
- メディア: 文庫
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